フィギュアスケートのジャンプの識別法

フィギュアスケートの魔力 (文春新書)

フィギュアスケートの魔力 (文春新書)

情報源・確認手段は、上記の本。ただ、自分には若干わかりにくいところがあったので、実際に識別する際のポイントをまとめてみよう。

基本的には、ジャンプの種類は踏み切るときの両足の形で区別され、空中とか着氷とかは(点数には大きく響くけど)関係ない。

ジャンプ時の軸足(多くの人は右足)/反対足*1について

  • 踏み切るときの足はいろんなバリエーションがある(下表)
  • アクセルジャンプ以外は、滑っている方向に対して体を後ろに向けて踏み切る
  • 空中では軸足が伸びていて、そこに反対足が巻き付く感じ(あまり上手でないと、無為に曲がっているだけのことも)
  • 軸足で着氷し、反対足は空中にあげる(体は進行方向に対して後ろ向き)
ジャンプの名前 難易度 踏み切り時の体の向き 入り方 飛ぶ瞬間の足の形 特徴
アクセル 最高 前向き 飛ぶぞーって姿勢のまま、前向きに滑ってから 片足(反対足)で踏み切る 前向きに滑りながら飛び、後ろ向きに着氷するため、「〜回転半」することになる。
トゥーループ 後ろ向き いろいろ 滑ってきた軸足の膝を曲げて、反対足を体の後方に引いてから、反対足のつま先をついて踏み切る(左右が自然)。  
ループ 後ろ向き いろいろ 軸足で滑ってきて、膝を曲げて、そのまま軸足だけで踏み切る 反対足は後ろに引かず、軸足のそばにあるまま。一瞬いすに座る感じに。
サルコウ *2 後ろ向き 直前で前向き→後ろ向きに体の向きを変える(氷上でくるくるしてからジャンプ)。 両足をハの字にして踏み切る(両足をついた状態から、膝を曲げて両足ジャンプする感じ)  
フリップ 後ろ向き 直前で前向き→後ろ向きに体の向きを変える(氷上でくるくるしてからジャンプ)。 軸足を上げてから反転して後ろ向きになり、滑っている反対足の膝を大きく曲げてから、軸足のつま先をついて踏み切る(左右が不自然 よく見るとインエッジで滑ってから跳ぶ(らしい)。
ルッツ 後ろ向き 膝を曲げて踏み切り体制に入った後、一定時間すーっと滑ってからジャンプ 後ろ向きになってから軸足を上げて、滑っている反対足の膝を大きく曲げて、軸足のつま先をついて踏み切る(左右が不自然 膝を曲げてからすーっと滑るのはこれだけ。よく見るとアウトエッジ(小指側に重心)で滑ってから跳ぶ(らしい)。

まず、アクセルは体の向きからすぐにわかる。ループとサルコウは、踏み切る瞬間の足の形から見分けましょう*3

トゥーループとフリップ・ルッツは、いずれも片足の膝を曲げて、もう片方の足を体の後方に伸ばしてから、そのつま先をついて踏み切るので、足の形だけでは見分けがつかない。足の左右が違うので、それで見分けるのが原則*4。ただ、実際には下記の識別法も有効かと。

  • トゥーループは、軸足をジャンプするために曲げるので、あんまり膝は曲がらず(曲げすぎると伸ばして踏み切りづらい)、体も前傾にはなりにくい。反対足の助けを借りつつ、曲げた軸足を伸ばして踏み切る。
  • フリップ・ルッツは、反対足を曲げるので、かなり膝を曲げて体を前傾させる人が多い。踏み切り時の形(反対足を曲げて軸足のつま先をつく)のまま、軸足をつく勢いで体を起こして回る感じ

ここまでは踏み切る瞬間の両足の形だけで識別できるのだが、フリップとルッツは、踏み切る瞬間の足の形がほぼ同じ。見分け方は二つ。

(1)踏み切る前に、ルッツはアウトエッジなので滑っている足が斜めに傾いており*5、野球のシュート回転のような軌道を描いて、すーっと滑ってから踏み切る点で識別する。

(2)フリップは体を前に向けて滑っている間に、滑る足を軸足から反対足に入れ替える。その後に反転して、踏み切り体勢に入る(たぶん)。それに対してルッツは、軸足で滑ってきて、反転した後で反対足を上げて、踏み切り体勢に入る。

ちなみに、連続ジャンプ(コンビネーションジャンプ)の場合、軸足で着氷したところから続くので、軸足で滑ってくるトゥーループかループがあとに続く。この場合、1回目のジャンプを着氷してから2回目のジャンプまでに反対足を一度も氷につかなければループ、つけばトゥーループ。

まあ、こんなのわかっても何の役にも立たないわけだけど、なんでこんなに識別したくなるんだろう。。。

*1:軸足ではない側の足を、とりあえずこう書きます。

*2:人によって得意/不得意の差が大きそう。

*3:実はこの区別が一番難しい。たぶん。

*4:私の場合、自然に見えるのがトゥーループで、不自然な感じなのがフリップ・ルッツでした。

*5:人間の上体はインエッジ(親指)側にあるので、アウトエッジ(小指側)でバランスをとろうとすると、かなり傾くことになるのです。