フィギュアスケートのジャンプの識別法
- 作者: 梅田香子,今川知子
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2004/11
- メディア: 新書
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情報源・確認手段は、上記の本。ただ、自分には若干わかりにくいところがあったので、実際に識別する際のポイントをまとめてみよう。
基本的には、ジャンプの種類は踏み切るときの両足の形で区別され、空中とか着氷とかは(点数には大きく響くけど)関係ない。
ジャンプ時の軸足(多くの人は右足)/反対足*1について
- 踏み切るときの足はいろんなバリエーションがある(下表)
- アクセルジャンプ以外は、滑っている方向に対して体を後ろに向けて踏み切る
- 空中では軸足が伸びていて、そこに反対足が巻き付く感じ(あまり上手でないと、無為に曲がっているだけのことも)
- 軸足で着氷し、反対足は空中にあげる(体は進行方向に対して後ろ向き)
ジャンプの名前 | 難易度 | 踏み切り時の体の向き | 入り方 | 飛ぶ瞬間の足の形 | 特徴 |
---|---|---|---|---|---|
アクセル | 最高 | 前向き | 飛ぶぞーって姿勢のまま、前向きに滑ってから | 片足(反対足)で踏み切る | 前向きに滑りながら飛び、後ろ向きに着氷するため、「〜回転半」することになる。 |
トゥーループ | 低 | 後ろ向き | いろいろ | 滑ってきた軸足の膝を曲げて、反対足を体の後方に引いてから、反対足のつま先をついて踏み切る(左右が自然)。 | |
ループ | 中 | 後ろ向き | いろいろ | 軸足で滑ってきて、膝を曲げて、そのまま軸足だけで踏み切る。 | 反対足は後ろに引かず、軸足のそばにあるまま。一瞬いすに座る感じに。 |
サルコウ | 低*2 | 後ろ向き | 直前で前向き→後ろ向きに体の向きを変える(氷上でくるくるしてからジャンプ)。 | 両足をハの字にして踏み切る(両足をついた状態から、膝を曲げて両足ジャンプする感じ) | |
フリップ | 高 | 後ろ向き | 直前で前向き→後ろ向きに体の向きを変える(氷上でくるくるしてからジャンプ)。 | 軸足を上げてから反転して後ろ向きになり、滑っている反対足の膝を大きく曲げてから、軸足のつま先をついて踏み切る(左右が不自然) | よく見るとインエッジで滑ってから跳ぶ(らしい)。 |
ルッツ | 高 | 後ろ向き | 膝を曲げて踏み切り体制に入った後、一定時間すーっと滑ってからジャンプ | 後ろ向きになってから軸足を上げて、滑っている反対足の膝を大きく曲げて、軸足のつま先をついて踏み切る(左右が不自然) | 膝を曲げてからすーっと滑るのはこれだけ。よく見るとアウトエッジ(小指側に重心)で滑ってから跳ぶ(らしい)。 |
まず、アクセルは体の向きからすぐにわかる。ループとサルコウは、踏み切る瞬間の足の形から見分けましょう*3。
トゥーループとフリップ・ルッツは、いずれも片足の膝を曲げて、もう片方の足を体の後方に伸ばしてから、そのつま先をついて踏み切るので、足の形だけでは見分けがつかない。足の左右が違うので、それで見分けるのが原則*4。ただ、実際には下記の識別法も有効かと。
- トゥーループは、軸足をジャンプするために曲げるので、あんまり膝は曲がらず(曲げすぎると伸ばして踏み切りづらい)、体も前傾にはなりにくい。反対足の助けを借りつつ、曲げた軸足を伸ばして踏み切る。
- フリップ・ルッツは、反対足を曲げるので、かなり膝を曲げて体を前傾させる人が多い。踏み切り時の形(反対足を曲げて軸足のつま先をつく)のまま、軸足をつく勢いで体を起こして回る感じ。
ここまでは踏み切る瞬間の両足の形だけで識別できるのだが、フリップとルッツは、踏み切る瞬間の足の形がほぼ同じ。見分け方は二つ。
(1)踏み切る前に、ルッツはアウトエッジなので滑っている足が斜めに傾いており*5、野球のシュート回転のような軌道を描いて、すーっと滑ってから踏み切る点で識別する。
(2)フリップは体を前に向けて滑っている間に、滑る足を軸足から反対足に入れ替える。その後に反転して、踏み切り体勢に入る(たぶん)。それに対してルッツは、軸足で滑ってきて、反転した後で反対足を上げて、踏み切り体勢に入る。
ちなみに、連続ジャンプ(コンビネーションジャンプ)の場合、軸足で着氷したところから続くので、軸足で滑ってくるトゥーループかループがあとに続く。この場合、1回目のジャンプを着氷してから2回目のジャンプまでに反対足を一度も氷につかなければループ、つけばトゥーループ。
まあ、こんなのわかっても何の役にも立たないわけだけど、なんでこんなに識別したくなるんだろう。。。